やっと、肝心の映画の感想。
まあ、制作サイドの決まり文句としては「いずこねこを知らない人が観ても楽しめる映画」って言うんですよ。そういうこと言うんです。絶対言うの。
だけどなあこれ、ほんとに全くいずこねこ知らなかったら、いずこねこ知ってるひとが感じる面白さの半分も面白くないぞこれ。
ただ、いずこねこの曲が好きって人はもうマスト。絶対見に行け。絶対。ほんっとに、最初っからいずこねこはエンディングであるこの映画を目標に活動してたんじゃないかと錯覚するくらい、歌詞の世界観とかを見事に映像化してたと思う。
女性の出演者が全員アイドルさんだったりするので、ひょっとしたら自分が推してるアイドルさんが出てるからって理由で見に行く人もいるかもしれないけど、いずこねこの曲、何曲か聴いといて予習しといたほうがいいよ。べつに調べものとかしなくていい、ただ何曲か聴いとくだけでも充分だと思うので。
で。
おそらく一般的には、泣くような映画ではないと思います。アイドルさんがテレビでやる、ベタな深夜ドラマぐらいのノリで進んでいくと思うし、実際コントっぽいベタな演技や演出をわざと入れてるとこいっぱいあるし。
だけどなあ、おいら1時間半の映画の、後半1時間ずーっとボロ泣きしてたの。
大袈裟じゃなく。
自分でもわかってるの、ここ泣くとこじゃねえって。でも涙が止まらなくてさあ。エンディング近くまで、ハンカチで顔拭うの気づかれて「うわっ、こんなとこでもう泣いてる奴おる、気持ち悪っ」とか思われたらどうしよう、とか思って、涙流れるままにしといたら、終わったとき首筋とTシャツの首周りがびっちょびちょだった。
まあ、泣ける理由として一番大きいのは「いずこねこもう終わっちゃうんだな」ってことを、大画面で通達されて痛感させられることなんだけど、
なんとなく、おいらの今の状況に刺さる内容だったんだよ。
長いこと「やるべきこと」も「やりたいこと」も見つからないままずーっとだらだら生きてきて、突然無職になって、やっと今頃になって生きる目標らしきものが出来て、バイトしながら学校行ってたりするおいら。しかも、それが「そうか、そういう仕事、してみたかった!!」ってことでもなくて、ああそうか、そういう運命なんだおいら、と何かに導かれるように今を生きてる感じと、
世界の終わりまでの1ヶ月間を諦観と無気力で過ごす女子生徒たち、そんな中突然、出会った異星の女の子に導かれるままに歌って踊る主人公の女の子。
おんなじとは言わないよ(笑)
言わないけどね。
もっと一生懸命、生きるべきなのかなあ。今からでも。
もしくは、運命だから肩ひじ張らずに、導かれるままに生きるべきなのかなあ。
あの、何もかも諦めて無気力な世界が、たぶん2年前までのおいら。
それまでの37年分の毒が、涙になって全部出たの。
「いずこねこの曲が好き」っていう条件つきではある上に、あんまりおいら映画観てないけど、おいらにとっては最高にいい映画だったよ。全国公開された頃にもう1回観れたらまた泣くと思うよたぶん。