先週、バイトの女の子と仕事中にトイカメラ話で盛り上がったので、かれこれ5年以上もノーメンテナンスのまま、たった1枚残ったフィルム(ポラカラー89フィルム)も入ったまんま、ホコリをかぶっていたPOLGA(中国製のHOLGAというトイカメラにポラロイドのホルダーを背負わせたもの)と、同じくいつ入れたかもわからない6枚残ったフィルム(600フィルム)が入ったままのSX-70(世界初の自己現像フィルム使用ポラロイド)を、ただ自慢するため、見せびらかすためだけに職場へ持っていった。
仕事の休憩中・退勤後に、久々の撮影を試みる。
SX-70(画像左)は、中のフィルムの現像液を溜めておく部分を形成する接着剤がダメになっていて、フィルムから現像液が漏れだしていたため、撮影するとうっすらと画像は出るものの、手やカメラが汚れていくので使用中止。ただ、おそらくフィルムさえ新しいものを入れ直せばポラロイドとしての機構は全く問題なしの完動品であることが確認された。
POLGA(わかりにくいが画像右)は、ホルダーに残っていた1枚で撮影するも何も写らず。家から持参した、最後のポラカラー89フィルムパックを入れ直し、2枚目を撮影。ほとんど何も写らないが、ごくうっすらと女の子の顔が写っている。おそらく、カメラ自体に問題はなさそうだ。
カメラとフィルムが冷えているのが原因とみて、ポラのホルダーだけ外してフィルムを温める。2枚目まではフラッシュを減光して撮影したら真っ暗になったので、今度は減光せずに3枚目を撮影。
バッチリきた。多少女の子に寄りすぎたせいで、白っぽくトビ気味に写った上に、フィルム自体の劣化のせいで周囲がもやもやした感じになったが、これが実にいい感じに、女の子の顔をぼかして「きれいめ」に写ってしまったのである。
「うおお、すげえ、奇跡的にブスが美人に写ったぞ(笑)」
って言ったら女の子に殴られたけど(笑)
その数分後に、違う女の子を、3枚目よりもちょっと距離をとって撮影。見事にジャスピン。
いやあ、トイカメラ楽しい。
ただ、POLGAはいま入っているフィルムパックに残った7枚を撮りきったら、おそらくもうフィルムそのものを入手することが不可能(2007年4月に終売)なので、ホルダーを外して本来のブローニーフィルムで撮るか、35ミリフィルムが使えるホルダーを背負わせるか…いずれにしても、今のこの、撮影してしばらく待ってからネガを剥がすドキドキはもう味わえなくなるんだよね。
ポラロイドカメラって、ものすごく画期的な発明だと思うんだけど、たった半世紀で世の中から消えていくんだ。インスタントカメラ自体は富士フイルムのインスタックス(チェキ)があるけど、あのフォルムは好きになれんのよね…そんで普及してインスタントカメラとして広く定着するとも思えないし。
眠っていた宝物が、久しぶりに蘇った嬉しさと、こんな素敵な宝物がもうなくなってしまう寂しさ、両方。
「日本ポラロイド」、来年から「フロントランナー」に社名変更するんですって。